旧 今日の田中(仮名)
昨日、当店のお客様でもありこのコーナーの愛読者でもあるMくんがお店にやって来た。
「とうとう明日、結婚式だ。」
その後、会場や時間などの話になった。
この時点では私の中には電報を打つという考えしかなかったのだが、天気がいい時には外の公園に一回出る事がわかった。
『今日の田中(仮名)』愛読者には最高の贈り物をするチャンスである。
「田中くんに青いサッカーの応援Tシャツ着せて『Mさ〜ん』と手を振らせてもいい?」
Mくんは笑いながらアッサリとOKを出した。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
そして当日になった。
私は歯医者が長引いたため少し遅れて出勤した。
私も田中の勇姿を見たいが店番をしなくてはならない。
現在11時15分。何とか間に合う時間であるが遅れるわけにはいかない。
すぐに行かせなくては。
店に入ると田中が仕事のフリをしていたが、青いTシャツを着ていない。
「青いTシャツは?」
「あっ、忘れました....。」
やってくれた。
青い応援Tシャツだとウケ狙いだとわかってもらえそうだが、いつものヨレヨレした格好の田中は嫌がらせにしか見えないかも知れない。
それでも仕方ない。とにかく式場に向かわせた。
間もなく田中から電話があった。
「いま、近くまで着いたんですけど場所がわからないです。」
私も正確な場所は知らない。
「近くにそれらしい場所ない?」
田中は電話をしながらも捜しているようだ。
「あー、あれですかね?大きな建物があります。」
「おー、それかも知れない。何て書いてある?」
「○○クリニックって書いてあります。」
それは病院だろ!!
「他に結婚式やれそうな場所ない?」
「この辺に教会なんて見つからないですよ。」
「誰が教会なんて言った!サンパレス○○とかあるだろ!ああいうやつだ。」
「「あっ、自分、十字架の立ってる建物を捜してました。」
気持ちはわからなくもない。
私はネットで検索する事にして一旦電話を切ったのだが、すぐに田中から電話がかかってきた。
「見つけました!でも自分『Mさんだ!』と思って手を振ったら全然違う人に手を振ってたみたいです。」
何をやってんだ。あいつは...。
「そうか!近くに公園あるだろ?そこへ行って!」
「公園ですか?ないです...あっ、ありました!あれです。いま幼稚園が、あっ、始まるみたいで.....ツーツーツー」
とにかく間に合ったみたいだ。
一安心してるとすぐにまた電話がかかってきた。
「終わったの?」
「いや、まだやってます。」
「気づいてくれた?」
「いや気づいてないみたいです。」
「それじゃあ、ダメだろ!でんぐり返しでもやれ!」
「そんな事したら余計見えなくなりますよ。」
「とにかく気づいてもらえるようにやれ!」
会場にいないのがもどかしい。
一旦電話を切ったが、またすぐに電話がかかってきた。
「どうだ!気づいた?」
「はい!手を振ってくれました。」
「よし!じゃあ帰って来い。」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
しばらくして田中が戻ってきた。
「どうだった?」
「はい!奥さんって幼稚園の先生なんですか?幼稚園の子たちが後ろにいたんで、そこに混ざってました。」
さすが、田中さん。一番違和感のない場所に混ざってくれる(笑)
「でっ、司会の人が『幼稚園の子たちにも指輪を見せて下さい』ってこっちを見たんで大きく手を振ったら気づいたみたいで手を振ってくれました。」
ここまで聞いて『もしかしたらとんでもない事をしたかも知れない』と思っていると、新郎のMくんから電話がかかってきた。
「大丈夫だった?」
「オッケー、ありがとうございます。」
どうやらぶち壊しにはなっていないみたいだ。
よかった、よかった。
おめでとうございます。
田中は新婚旅行のおみやげにカメハメハの置物がいいそうです。
「とうとう明日、結婚式だ。」
その後、会場や時間などの話になった。
この時点では私の中には電報を打つという考えしかなかったのだが、天気がいい時には外の公園に一回出る事がわかった。
『今日の田中(仮名)』愛読者には最高の贈り物をするチャンスである。
「田中くんに青いサッカーの応援Tシャツ着せて『Mさ〜ん』と手を振らせてもいい?」
Mくんは笑いながらアッサリとOKを出した。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
そして当日になった。
私は歯医者が長引いたため少し遅れて出勤した。
私も田中の勇姿を見たいが店番をしなくてはならない。
現在11時15分。何とか間に合う時間であるが遅れるわけにはいかない。
すぐに行かせなくては。
店に入ると田中が仕事のフリをしていたが、青いTシャツを着ていない。
「青いTシャツは?」
「あっ、忘れました....。」
やってくれた。
青い応援Tシャツだとウケ狙いだとわかってもらえそうだが、いつものヨレヨレした格好の田中は嫌がらせにしか見えないかも知れない。
それでも仕方ない。とにかく式場に向かわせた。
間もなく田中から電話があった。
「いま、近くまで着いたんですけど場所がわからないです。」
私も正確な場所は知らない。
「近くにそれらしい場所ない?」
田中は電話をしながらも捜しているようだ。
「あー、あれですかね?大きな建物があります。」
「おー、それかも知れない。何て書いてある?」
「○○クリニックって書いてあります。」
それは病院だろ!!
「他に結婚式やれそうな場所ない?」
「この辺に教会なんて見つからないですよ。」
「誰が教会なんて言った!サンパレス○○とかあるだろ!ああいうやつだ。」
「「あっ、自分、十字架の立ってる建物を捜してました。」
気持ちはわからなくもない。
私はネットで検索する事にして一旦電話を切ったのだが、すぐに田中から電話がかかってきた。
「見つけました!でも自分『Mさんだ!』と思って手を振ったら全然違う人に手を振ってたみたいです。」
何をやってんだ。あいつは...。
「そうか!近くに公園あるだろ?そこへ行って!」
「公園ですか?ないです...あっ、ありました!あれです。いま幼稚園が、あっ、始まるみたいで.....ツーツーツー」
とにかく間に合ったみたいだ。
一安心してるとすぐにまた電話がかかってきた。
「終わったの?」
「いや、まだやってます。」
「気づいてくれた?」
「いや気づいてないみたいです。」
「それじゃあ、ダメだろ!でんぐり返しでもやれ!」
「そんな事したら余計見えなくなりますよ。」
「とにかく気づいてもらえるようにやれ!」
会場にいないのがもどかしい。
一旦電話を切ったが、またすぐに電話がかかってきた。
「どうだ!気づいた?」
「はい!手を振ってくれました。」
「よし!じゃあ帰って来い。」
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しばらくして田中が戻ってきた。
「どうだった?」
「はい!奥さんって幼稚園の先生なんですか?幼稚園の子たちが後ろにいたんで、そこに混ざってました。」
さすが、田中さん。一番違和感のない場所に混ざってくれる(笑)
「でっ、司会の人が『幼稚園の子たちにも指輪を見せて下さい』ってこっちを見たんで大きく手を振ったら気づいたみたいで手を振ってくれました。」
ここまで聞いて『もしかしたらとんでもない事をしたかも知れない』と思っていると、新郎のMくんから電話がかかってきた。
「大丈夫だった?」
「オッケー、ありがとうございます。」
どうやらぶち壊しにはなっていないみたいだ。
よかった、よかった。
おめでとうございます。
田中は新婚旅行のおみやげにカメハメハの置物がいいそうです。
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