田中（仮名）の願い

昨日は七夕という事もあり飾り付けように笹だけをいただいた。
くれたのは以前、田中の血がドロドロだという事を発見してくれたグレイシスさんである。
持ってきた時点ですでにネタになりそうな光景であった。




ともかくお店の脇に設置してもらったが、私はWEBサイトの更新準備と発送準備で飾り付けが出来そうもない。田中が来るまで飾り付けはお預けとなった。





午後5時50分、就職が内定した田中がやってきた。
私は仕事がまだ終わっていなかったので飾り付けを田中にまかす事にした。

飾り付けと言ってもお店には何も飾れるような物はないので、グレイシスさんからいただいた折り紙を駆使して飾るしかない。


「クリスマスの飾りくらいはお店にあるから」


私は田中にこれだけ言って作業に戻った。
きっと田中は私の思惑通りライトピカピカの飾りをしてくれるに違いない。


時間はあっという間に8時。
田中はまだ親御さんへ内定の報告をしていないと言うので先に帰した。
私は残っている仕事を片付けた後に飾り付けを見にいった。
予想に反して普通である。
『これじゃあネタになんないなあ』と思い、私も帰る事にした。


シャッターを閉めて鍵をかけ車へと向かった。
車に向かう前に笹だけにぶらさがった願い事が見えた。


「何だ？こりゃ？」


『店長より先にラジコンがうまくなりたい』



田中らしい。
私は他のやつも読んでいくうちに夢中になっていた。
携帯のカメラなんで写りはよくないと思うが、一つ残らず撮影したので『田中の願い』を楽しんで欲しい。


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