旧 今日の田中(仮名)
先日、田中はジュースの空き缶を片付けていかなかったので私が捨てておいた。
出勤した田中がその場所に行ったので私は言った。
「田中くん、そこに缶を置きっぱなしじゃなかったっけ?」
田中はその辺をキョロキョロと捜した。
「置いてないですよ。ちゃんと捨てておきましたよ。」
「何、言ってんだよ。さっき私が捨てたんだよ。」
「そうでしたっけ?私、過去の記憶は造る事が出来ますからね。」
過去の記憶は自分の都合のいいように作り替える事が出来る田中であった。
出勤した田中がその場所に行ったので私は言った。
「田中くん、そこに缶を置きっぱなしじゃなかったっけ?」
田中はその辺をキョロキョロと捜した。
「置いてないですよ。ちゃんと捨てておきましたよ。」
「何、言ってんだよ。さっき私が捨てたんだよ。」
「そうでしたっけ?私、過去の記憶は造る事が出来ますからね。」
過去の記憶は自分の都合のいいように作り替える事が出来る田中であった。
田中に在庫を捜してもらっていた。
私は2階で田中は1階の店舗なのでいつもはインターホンを使うのだが、
電池が切れたため久しぶりに電話の内線を使って話す事にした。
『トゥルトゥル、トゥルトゥル・・・』
呼び出しているのに田中が出ない。
20〜30秒くらいして田中が電話に出た。
「なかなか出なかったけどどうした?」
「いや、内線のやり方忘れちゃって。」
ある程度予想していた事であるが、押すべきボタンが点灯してるのに使い方がわからないというのは、やはり田中である。
ツッコミをいれる気にもならなかったので仕事を始める事にしたのだが、在庫の確認を始めてすぐに電話がなったので作業を中断しなくてはならない。
FAXだったので私は受話器を電話機に戻して、階段から田中に向かって話しかけようとした。
「もしもし?店長?」
田中は未だにFAXが流れている事に気がついていないようで、一人でしゃべっていた。
「お〜い、田中く〜ん。」
ようやく受話器からではなく2階からの生の声であると気がついたようだ。
「いまFAXが流れているから後回しにして違う事をやろう。」
「はい、じゃあ在庫確認は○○と○○だけやってから・・・」
「田中、田中、ちょっと待て」
私は仕事の話を続ける田中の話をさえぎった。
「いい加減、受話器に向かってしゃべるのはやめろ。」
田中は私の顔を見ながらず〜っと受話器に向かって話していた。
私は2階で田中は1階の店舗なのでいつもはインターホンを使うのだが、
電池が切れたため久しぶりに電話の内線を使って話す事にした。
『トゥルトゥル、トゥルトゥル・・・』
呼び出しているのに田中が出ない。
20〜30秒くらいして田中が電話に出た。
「なかなか出なかったけどどうした?」
「いや、内線のやり方忘れちゃって。」
ある程度予想していた事であるが、押すべきボタンが点灯してるのに使い方がわからないというのは、やはり田中である。
ツッコミをいれる気にもならなかったので仕事を始める事にしたのだが、在庫の確認を始めてすぐに電話がなったので作業を中断しなくてはならない。
FAXだったので私は受話器を電話機に戻して、階段から田中に向かって話しかけようとした。
「もしもし?店長?」
田中は未だにFAXが流れている事に気がついていないようで、一人でしゃべっていた。
「お〜い、田中く〜ん。」
ようやく受話器からではなく2階からの生の声であると気がついたようだ。
「いまFAXが流れているから後回しにして違う事をやろう。」
「はい、じゃあ在庫確認は○○と○○だけやってから・・・」
「田中、田中、ちょっと待て」
私は仕事の話を続ける田中の話をさえぎった。
「いい加減、受話器に向かってしゃべるのはやめろ。」
田中は私の顔を見ながらず〜っと受話器に向かって話していた。
昨日というか今日の朝3時すぎに家に帰った。
田中も同じ時間までいた。
たぶん田中は遅刻するんだろうなあと思いながら出勤すると、私より早く出勤していた。
「おっ、田中くん。早いね。」
「かなり眠かったけど何とか起きる事が出来ました。」
田中も仮面ライダーを見たと言っているので睡眠時間は同じくらいであろう。
もちろん二人ともかなり眠い。
夕方にはもっと眠くなるだろうが会話でもしてれば眠気もおさまるだろう。
「申し訳ないんですけど今日は焼き肉なんで、4時くらいに帰らせてください。」
やっぱり田中はそういうヤツなのね。
まあ、いつもの事だから別にいいけど.....。
だが、今日の田中はさすがに悪いと思っているのかメチャクチャ働いた。
焼き肉のためのパワーはスゴかった。
田中も同じ時間までいた。
たぶん田中は遅刻するんだろうなあと思いながら出勤すると、私より早く出勤していた。
「おっ、田中くん。早いね。」
「かなり眠かったけど何とか起きる事が出来ました。」
田中も仮面ライダーを見たと言っているので睡眠時間は同じくらいであろう。
もちろん二人ともかなり眠い。
夕方にはもっと眠くなるだろうが会話でもしてれば眠気もおさまるだろう。
「申し訳ないんですけど今日は焼き肉なんで、4時くらいに帰らせてください。」
やっぱり田中はそういうヤツなのね。
まあ、いつもの事だから別にいいけど.....。
だが、今日の田中はさすがに悪いと思っているのかメチャクチャ働いた。
焼き肉のためのパワーはスゴかった。
だんだん暗くなるのも早くなってきた。
うちの店では外の電気を手作業で点けているのだが、田中がいる時は新聞配達に行く前に電気を点けてもらっている。
もちろん田中は何度か忘れているので、今日もしつこいくらい念を押していた。
「田中くん、忘れるなよ!」
「はい、大丈夫です。まかせておいて下さい!」
「それが心配なんじゃん。『自分で点けて行きましょうか?』って聞いておきながら忘れていったじゃん!」
「それは言いっこなしですよ。」
田中は少し不安になったようだ。
新聞配達に出かける時間になり階段を降りながら田中は言った。
「店長、下に着いたら『電気』って言ってください。」
下に着いたらって言われても、うちの店の階段は12段しかないぞ!
1階店舗に降りても電気を忘れていなかった田中はモニターに向かって言った。
「行ってきますでデンキ」
うちの店では外の電気を手作業で点けているのだが、田中がいる時は新聞配達に行く前に電気を点けてもらっている。
もちろん田中は何度か忘れているので、今日もしつこいくらい念を押していた。
「田中くん、忘れるなよ!」
「はい、大丈夫です。まかせておいて下さい!」
「それが心配なんじゃん。『自分で点けて行きましょうか?』って聞いておきながら忘れていったじゃん!」
「それは言いっこなしですよ。」
田中は少し不安になったようだ。
新聞配達に出かける時間になり階段を降りながら田中は言った。
「店長、下に着いたら『電気』って言ってください。」
下に着いたらって言われても、うちの店の階段は12段しかないぞ!
1階店舗に降りても電気を忘れていなかった田中はモニターに向かって言った。
「行ってきますでデンキ」
今日は田中の学校が入試のため休みだった。
朝から出勤予定の田中からメールが入った。
『自転車がなくてあるいていかなきゃならないんで遅れます。』
1年のうち360日は自転車に乗っている田中がなぜだろう?
営業時間前だったので迎えに行く事にした。
車に乗った田中は話し出した。
「いやあ、参りました。弟が学校に乗っていったみたいで起きたらチャリがないんですよ。朝に弟と会話した記憶はあるんですけど、何言ったかさっぱり覚えていなくて。」
起きていても覚える事は苦手な田中である。寝起きはもっとひどいだろう。
「でっ、姉ちゃんに『貸して』って言ったら『5時までに返してくれるんだったら』って言われたんですよ。5時までだったら無理なんで歩いて来たんですよ。」
「じゃあ新聞配達はどうするんだよ?」
「歩いてやります。」
「えっ、だったらお姉ちゃんに自転車を返してから新聞配達すればいいじゃん。」
田中が店から新聞配達に出かける時間は午後4時。
自宅には4時30分前に着くはずである。
自転車を返してから新聞配達をすればいいのではないだろうか?
田中はしばらく考えて話し出した。
「言われてみればそうですね。そう考えるとものすごく損した気分ですね。」
迎えにいった私もものすごく損した気分である。
朝から出勤予定の田中からメールが入った。
『自転車がなくてあるいていかなきゃならないんで遅れます。』
1年のうち360日は自転車に乗っている田中がなぜだろう?
営業時間前だったので迎えに行く事にした。
車に乗った田中は話し出した。
「いやあ、参りました。弟が学校に乗っていったみたいで起きたらチャリがないんですよ。朝に弟と会話した記憶はあるんですけど、何言ったかさっぱり覚えていなくて。」
起きていても覚える事は苦手な田中である。寝起きはもっとひどいだろう。
「でっ、姉ちゃんに『貸して』って言ったら『5時までに返してくれるんだったら』って言われたんですよ。5時までだったら無理なんで歩いて来たんですよ。」
「じゃあ新聞配達はどうするんだよ?」
「歩いてやります。」
「えっ、だったらお姉ちゃんに自転車を返してから新聞配達すればいいじゃん。」
田中が店から新聞配達に出かける時間は午後4時。
自宅には4時30分前に着くはずである。
自転車を返してから新聞配達をすればいいのではないだろうか?
田中はしばらく考えて話し出した。
「言われてみればそうですね。そう考えるとものすごく損した気分ですね。」
迎えにいった私もものすごく損した気分である。
昨日の世界バレーは初めて田中と一緒にテレビ観戦となった。
いつも試合の感想を店で話しているが、試合中の応援を見た事はない。
すっかりバレーの魅力にハマッた田中の熱い応援を期待していた。
まもなく試合が開始となった。
昨夜の試合はシン(高橋選手)が大活躍でアップになる事が多かった。
「キレイですね。」
確かにウマくてキレイという感想はピッタリである。
「あー、カオル姫。あんまり飛ばさないで。」
今度はカオル姫がボールに飛びついたシーンだ。
リベロというポジションのためボールに飛び込むのがカオル姫の仕事である。
「あぁ、この12番の選手もイカしてますね。」
12番?サオリン?どこにも映ってないぞ。
画面を見るとそこにはオランダの12番の選手がいた。
そう言えばさっきからプレーに対しての感想は全くない。
コイツ、バレーじゃなくて人の顔を見てるのか?
「あー、この代わって入った人もイケてる。」
またもやオランダの選手であった。
金髪好きな田中はどうもオランダの選手の方がお気に入りらしい。
試合は日本が勝ったが、田中と一緒に観戦するのはこれを最後にする。
今日もニッポン!チャチャチャ!
いつも試合の感想を店で話しているが、試合中の応援を見た事はない。
すっかりバレーの魅力にハマッた田中の熱い応援を期待していた。
まもなく試合が開始となった。
昨夜の試合はシン(高橋選手)が大活躍でアップになる事が多かった。
「キレイですね。」
確かにウマくてキレイという感想はピッタリである。
「あー、カオル姫。あんまり飛ばさないで。」
今度はカオル姫がボールに飛びついたシーンだ。
リベロというポジションのためボールに飛び込むのがカオル姫の仕事である。
「あぁ、この12番の選手もイカしてますね。」
12番?サオリン?どこにも映ってないぞ。
画面を見るとそこにはオランダの12番の選手がいた。
そう言えばさっきからプレーに対しての感想は全くない。
コイツ、バレーじゃなくて人の顔を見てるのか?
「あー、この代わって入った人もイケてる。」
またもやオランダの選手であった。
金髪好きな田中はどうもオランダの選手の方がお気に入りらしい。
試合は日本が勝ったが、田中と一緒に観戦するのはこれを最後にする。
今日もニッポン!チャチャチャ!
田中の趣味にはフィギュアの他にビリヤードがある。
本人に言わせるとたしなむ程度という事であるが、ここでの田中も少し変わっている。
ビリヤードのわからない人のために説明する。
これがブリッジと呼ばれる普通の構え。
田中も最初はこの構えで始めるがしばらくすると指が痛くなってくるらしく、構えが変わる。その時の構えがこれだ。
トラが牙を剥くようなイメージなのでタイガーブリッジと名づけたのだが、本人は気にいらなかったようだ。
「できればバグナグと言って欲しいデスね。」
「それ何語?」
「タイだかインドだか中国語だかでタイガーって意味です。」
別に何語でもいいのだが、普通の人だとバグナグブリッジの方が疲れてくる。
箸をまともに使おうとすると指がつりそうになる田中は指の構造も違うらしい。
本人に言わせるとたしなむ程度という事であるが、ここでの田中も少し変わっている。
ビリヤードのわからない人のために説明する。
これがブリッジと呼ばれる普通の構え。
田中も最初はこの構えで始めるがしばらくすると指が痛くなってくるらしく、構えが変わる。その時の構えがこれだ。
トラが牙を剥くようなイメージなのでタイガーブリッジと名づけたのだが、本人は気にいらなかったようだ。
「できればバグナグと言って欲しいデスね。」
「それ何語?」
「タイだかインドだか中国語だかでタイガーって意味です。」
別に何語でもいいのだが、普通の人だとバグナグブリッジの方が疲れてくる。
箸をまともに使おうとすると指がつりそうになる田中は指の構造も違うらしい。
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