田中（仮名）に作らせる。

仕事が遅くなり腹が空いたのだが、手が離せなかったため田中にカップラーメンを作ってもらう事にした。
まあ、カップラーメンだったら誰にでも作れるし失敗する事はない。
私は作業に没頭した。

しばらくすると田中に聞かれた？
「かやくは入れますか？」

そうだった！田中はラーメンにかやくを入れないで食うのを忘れてた！
もしかして他にも特殊な作り方をするのかもしれないが、今は時間がない。

約3分後、フタを開けると普通のラーメンで安心したが、きれいにかき混ぜて渡すのもやめろ！何か証拠を隠滅したようでかえって不安になる。

田中（仮名）改造計画

今回は田中が何かやらかしたワケではない。
田中がうちの店に来てから１年が過ぎようとしている。
正直に言ってあまり進歩がない。
田中に安心してまかせられる作業は梱包作業と開封品のセット作りだけだ。
他の仕事もやるにはやるのだが、更に余計な仕事を増やしてしまう。
どうにか出来ないか悩んでいたが、昨日、田中と話をしている時にヒントが見えた。

私は出張の時にあまりにも不安なのでチェックリストを作って出かける。
2階の電気は消したか？トイレの電気は消したか？ストーブは消したか？
当たり前の事だが、このリストがあると仕事がしやすいそうだ。

そこで毎日の仕事内容とチェックリストを作成した。


こんな事が延々と書いているのだが、たぶんこのリストに書いてある事以外は、ほとんどやらないというか気が付かない。
この他にも梱包後にカッターを戻すとか、ガムテープを戻すなどの書かなくてもいいような当たり前の項目も作らなければならないので大変である。

なにはともあれ、これからはパーフェクトな田中をお見せできるであろう。

田中（仮名）の遅刻

最近、田中の遅刻やら休みやらで過去の事を思い出した。
その日は休みの日で11時オープンなのに奴は1時くらいに出勤してきた。

その日はヒマだったので田中が遅くても全く影響はなかったのだが、一応理由を聞いてやった。

「起きたのが12時ころで『ヤバい！』と思ったんですけど、どうせ遅刻するんだったら『いいや』と思って、姉貴が録画していた『M-1グランプリ』を見てから来ました。」

余計な事を言わなきゃいいのに、叱られるような事を自分から言い出すバカな男である。

田中（仮名）の成人式

今年、田中は成人式を迎える。
前に登場したYちゃんのお姉さんを交えて会話しているうちに田中は言った。

「成人式って20日ですよね？」

今さら説明する事でもないあが、昔は毎年15日が成人式であったが、今は連休にするため毎年日にちが変わっている。田中の成人式の時は1月8日である。

田中にも優しいYちゃんのお姉さんはそれを田中に説明してくれた。

「成人式って20歳にちなんで20日にやるんじゃなかったでしたっけ？」

毎年変わる成人式の日を奴に理解させるのは難しい。
「成人式は1月20日じゃなくて1月8日！」

私は田中に優しくない。

田中（仮名）の休みの理由

仕事が終わって田中は「明日、休みたいんですが...」と話し始めた。
平日の夜は私も予定を入れている事がほとんどないので、田中が休んでも全く差し支えない。困る事は灯油をストーブに入れる事とタバコを買いに行くのが面倒なくらいだ。それでも前日に休む事を報告したのを誉めてやらなければなるまい。

まあ、それでも一応、理由を聞いてみた。

「友達と銭湯に行く約束をしたんですよ。」

さすがボランティアスタッフの田中さんだ。休む理由も普通とはひと味違う。

田中（仮名）の接客

今回はO氏からの情報である。
2階のモニターから田中が接客する声を聞いていたそうだ。

「うちのクラスで車を持っていないのは自分だけなんですよ。」

もちろんお店で車は売っていないし、カー用品と呼べそうな物もない。
何の接客をしていたのか気になる。

つけあがる田中（仮名）

田中と晩飯の時である。友達から「ハイラックスサーフを買わないか？」と言われたけど、どうすればいいでしょうか？という話になった。

田中の家の近所はかなり道が悪く幅も細い。オマケに車を置く場所も狭い。

「お前の家にはサーフとかじゃなく、Yちゃんが乗っているようなジムニーとかがいいんじゃないの？」

更に私は田中に言った。「Yちゃんに『ちょうだい』って言ってみれば？」
もちろん冗談である。

ところが田中は思いがけない事を真顔で言った、

「Y姉さんにそんなカワイク言ったらイチコロじゃないですか。もらったら悪いような気がしますよ。」

誰がオマエにやるか！つけあがるんじゃない！！

不可能を可能にする田中（仮名）

またまた、私が出勤前に出かけている時に田中からメールが届いた。

「すいません！寝坊しました！かなり遅れます！」

このメールが届いたのが10時38分。
たぶん田中は『ヤバい！』と思いバタバタしている事だろう。

奴の家から店までは車でも15分はかかるのに田中は自転車である。
私がいる場所から店まで車で約20分。
11時にオープンするのにはギリギリだが用事を足さずに戻らなければならない。

悔しいので「何で出かけてる時に限って遅れるんだ！」とメールを送って店に向かう事にした。

10時52分。田中からメールが届いた。
「今、家を出ました。十一時にはつきます！」

何をバカな事を書いてるんだ。着くわけないだろ！と思いながら店へ向かい続けた。

11時5分。私も遅れて店に到着したが、なんと店が開いている...。

店に入ると焦って来たらしく髪の毛がボサボサの田中がやってきた。



「よく着いたな。」と言うと
「はい！自分でもビックリしました。新記録です！走っている時は車と同じスピードで、信号無視すると車より早いです。」と答えた。

同時刻に車で走っていたみなさま。たいへん御迷惑をおかけいたしましたm(__)m

必要な田中（仮名）

前回、「当日になって休む連絡をするな！」というのを書いたが、この事はもちろん本人にも伝えた。

こういった事は前に話した記憶があるが、全く覚えていなかった。
確かに特に私が出かけたりしていない限り田中は休んでも構わない。
何も連絡がなく昼になっても来ないという時でも私は連絡しない。
私の予定をずらせば済む事であり、何と言っても田中はボランティアスタッフだ。

伝えた翌日、作業をしながら田中は話し出した。
「昨日、帰る途中に店長に言われた事を思い出したんですけど、『これって自分を必要としているって事だよなあ』と思ってニタニタしながら帰りましたよ。」

だから前もって連絡くれれば休んでいいんだって！
困る事といえばこのコーナーが書けないという事だけだよ。

田中（仮名）の休み

田中はテスト期間中で休みである。


私は日曜日の朝に約40km離れた場所にいた。
その時の時間は9時30分。用事を済ませてから少しうろうろして戻ろうと思っていたので、お店に戻るのは開店の11時を少し過ぎてしまいそうだ。
まあ田中くんがいるから大丈夫だろうと思いながらコンビニに寄った。

その時にメールが届いているのに気がついた。





田中はボランティアスタッフなんだからいつ休んでもいいが、休む当日の１時間前に連絡するんじゃない！

おかげで私は朝からドライブをしただけになった。