忘れる田中（仮名）

仕事が終わってからいつものダーツ場に向かう途中で、郵便局に荷物の発送をしにいった。私の他に田中とミッキー、Ｏ氏が車に載っていた。発送するのはもちろん田中である。
車のワイパーが屋根から溶けかけて氷に引っかかっていたので、それも取ってくれるように頼んだ。
「定形外の荷物を先に発送してからワイパーを直せばいいですよね？」と田中は聞いたが、「先にワイパーを直して」と答えた。
「はい、わかりました」と田中は答えて、隣に座っていたＯ氏に荷物を預けて外へ出ていった。

車の中では田中を良く知るミッキーとＯ氏が口を揃えて「田中くんは荷物を先に発送したら普通にワイパーを直すのを忘れて戻ってきますよね」と大笑いしていた。

まあ、いつもいつも忘れるわけじゃないと思って聞いていたが、ワイパーを直して郵便局に向かった田中は、すでに発送する荷物を忘れていた。