成長する田中（仮名）

田中も私も2階で作業している時だった。
電話が鳴って田中が出た。

「はい！レブルです。」
「はい、はい。少々お待ちください。」

どうやら商品の問い合わせの電話らしい。
田中は丁寧語がヘタである。
決してふざけているわけではないらしいが、
普通の人が憧れの人や尊敬する人に思いがけずに会った状態（ようはテンパッている状態）の言葉を使う。
また変な日本語を使わなければいいが....。

ドタドタと階段を下りる。
バタバタと階段を上がる。
店舗の在庫を確認しに行ったのだろう。

「お待たせいたしました。やはり無いですね。」
「はい。4200円になります。」
「はい。失礼します。」

あれ！？おかしいところがない。
今までの電話の応対からは考えられないほど完璧である。
潔く田中の成長を認めよう。

だが、そんな田中も未だにFAXの受信は出来ても送信する事が出来ない。