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旧 今日の田中(仮名)
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今日はお休みの予定であったが、明日の2時頃にイベントの説明会に出かけなくてはならなくなった為に営業している。

店内には今月のお休みを書いた紙を貼り出してあったし、連休が終わって更に給料日前となればお店はヒマだろう。

ヒマとは言っても週末のイベントや月末のイベントに持って行く商品を準備したり、いろいろとやる事はあった。

何か忘れているような気がしていたのだが、疲れがたまっていて眠い事もあって思い出せそうもない。田中が出勤して来たら今日は寝させてもらおう。

出勤して来たら・・・・。

思い出した!!
今日は営業していると田中に連絡していない。


田中は休みの日だけは覚えていそうだもんなあ。

「おはようございま〜す!」

あれ、来た!エラい!田中!!
運良く休みだった事を忘れていたようだ。

「田中くん。じゃあ今度は俺が寝る番だから。」

「えっ、何でですか!?」

田中は一昨日、自分だけ仕事中に寝た事さえ忘れていた。


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昨日の夕方の話である。

「田中、眠い!」

私は当日の3時頃までビリヤードをしていたので眠かった。


「眠いですねぇ〜」

田中は朝の6時30分からケロロ軍曹を見ていたので眠たかったそうだ。


ここで田中が妙な事を言い出した。


「交代で寝ましょうか?」


おっーと、久々に大物ぶりを発揮!!
バイト(ボランティアスタッフ)が『交代で寝ましょうか?』の発言なんてありえないだろ!

そう思いながらもOKした時の展開が気になるので話にノッてみた。

「どっちから先に寝ます?」

「今、仕事が中途半端だから田中くんから先に寝ていいよ。」

「いやいや、店長から先に寝てもらわないと恐いですねぇ。」

おっ、なかなかいいヨミをしている。
今までいじめられたパターンを学習したようだが、睡魔には勝てないようだった。

「じゃあ、お先に寝ます。」

田中は横になり私は仕事を続けた。
まあ普通は『寝ていいよ』と言われても仕事場ですぐに寝る事は出来ないだろう。
横になって目を閉じているくらいのものだと思う。

静かな時間が3分くらい過ぎた頃だろうか。
お客さんの姿がモニターに映った。

私がいる部屋から1階の店舗に行く途中で田中は横になっている。


「田中?」

  ・
  ・
  ・
  ・

ゲッ!!マジで寝てやがる。
のび太くんなみの寝付きの良さだ。

蹴飛ばしてやろうかと思ったが、寝ていいと言ったのに起こすわけにもいかず、そのまま放置した。
2階に戻った時に写真を撮ろうと思っていたのだが、こんな時に限って次々とお客さんがやってくる。

30分くらいして再び2階に戻った時にはさすがの田中も起きていた。
もちろん私には交代の睡眠タイムがあるわけもない。

そして今日、大物の田中さんは『友達と遊ぶ』という理由で休んでいる。


来週は鶴田でのバイカー系のイベントである。

久々にお店に来たM氏が昨年のバイカー系イベントの時の話をしてくれた。
田中と一緒にベルトとかサイフとか売ってる革屋さんに入ったそうだ。

お店の人「いらっしゃいませ!ベルトでもサイフでも勉強させていただきますよ!」

M氏「買うのはこっち(田中)」

お店の人「勉強しますから言ってくださいね!」

田中・・無反応

その後も田中は熱心に商品を見てるので、お店の人は何度も『勉強します』と言ってるのに田中は無反応だったらしい。


やがてお店の人はハッと気付いたように言ったそうだ。

お店の人「お安くしておきますよ!」


田中「はい!お願いします!!」


やはり田中には『勉強します』の意味が伝わっていなかったそうだ。
田中に話す時はストレートな表現でお願いします。


田中に在庫を調べてもらった。



この商品はドラゴンボールカプセルという人気シリーズで、今までに6〜7種類くらいのシリーズが発売されていたと思う。
うちの店では箱の色でシリーズごとにまとめてある。

一から七までの星がカプセルについていて、それぞれ違うキャラクターやポーズの物が入っているのだが、全シリーズ共通のカプセルなので別けるのは大変である。

だが在庫を調べる作業は案外早く終わったようである。
しかし調べてもらう前は箱にキレイに収まっていたカプセルが乱雑になっている。
恐る恐る聞いてみた。

「これ、ちゃんとシリーズごとに別れてんだよね?」

「あっ、いや、適当です。」


在庫の総数はわかったのだが、捜すのは大変になってしまった。
せっかく別けてあったのに仕事を増やすんじゃない!

*******************************

田中に数えてもらった在庫でどうしても数が納得出来ない物があった。

「この商品、本当に11個もあるの?」

「はい!ありますよ。」

「どれ、どこにあるの?」

「まず、ここに6個、こっちに3個。」

「いや、同じ場所に置いておけよ。」

「あっ、すいません。」

「でっ、あと残り3個はどこにあるんだよ。」

「はい、あそこに」

そう言って田中が指差したのは、前に紹介した誰も届かない場所にあるスヌーピーのそばであった。



在庫がある事を覚えているのはいいが、誰がどうやって見るんだよ!


昨日はダンボールに入っていた秋冬の帽子を店頭に並べる作業をした。

「サブライムっていうブランドをこっちのダンボールに入れてくれる?」

「どういうスペルですか?」

「S.U.B.L.I.M.Eでサブライムだよ。」



ロゴが銀色なので写真ではわかりにくいが星の下に横文字で書いてある。

「はい!わかりました。」

順調に進んだようですぐに終わったようだ。

「店長、一つわからないブランドがあるんですけど?」

「うん、どれ?」

「はい、シュベリミャー....?」

それを見ると小文字で書かれたサブライムの値札だった。




今日、タバコを吸っていると田中が突然興奮してしゃべりだした。

「店長、いまエッチな古家具って書いてました!」

走っていたバスの広告に書いてあったらしいが、私の所からは見えなかった。

「そんな事、書いてあるわけないだろ。」

「ちょっと待ってて下さい!」

バスはすでにヨーカドーの近くまで(50mくらい)進んでいたが、田中はバスを追いかけて猛ダッシュ。
撮ってきた写真がこれである。



確かに書いていた。
て言うか今の機敏な動きを仕事で発揮してもらいたい。


昨日書いたホームエレクターとはこのような物である。



みなさんも見た事があるだろう。
組み立てる時はポールにプラスチックの留め具を固定して棚の端の部分を通していく。留め具は下の方が上の部分より太くなっているので棚は途中で止まる。
とても簡単であるが優れものである。



外す時はその逆なのだが、棚の重みや載せていた物の重みでガッチリはまっているので、軽くハンマーで叩いて外していく。
棚の片側だけ上げすぎないようにしないとなかなか抜けてこない。
なるべく平行にしてポールから外すのがコツである。

田中もこの作業を何度か経験しているので昨夜もやってもらった。
改めて見るとかなり遅い。
私の3倍は時間がかかっている。
私が早いわけではない。田中がものすごく遅いのだ。

あまりにも遅いのでムービーを撮ってみた。
ヨーイドン!で始めたので田中のフルスピードでの作業のはずである。
ちなみに3枚くらい外した後なので慣れてきた頃だと思う。

DoCoMoとPCはこちら

↑パソコンで見るにはQuickTimeプレーヤーが必要です。こちらからダウンロードしてください。


auはこちら

本当は1枚の棚を外すのに1分30秒くらいかかっているのだが、長過ぎるので少しカットしてある。
ふざけているようにしか見えないが田中はかなりマジメにやっているらしい。
イベントの時や忙しい時に怒ってしまう私の気持ちがわかっていただけただろうか?




怪獣の専門オンラインショップ怪人太郎さんで発刊予定のフリーマガジン『怪Zine』です。
9月末にうちの店でも配布する予定なので興味のある方は御来店ください。
田中は先日の焼き肉で帰った日の事を気にしていたようだ。

いつもは読まないこのブログを読んで原因を捜したそうだ。

「今度から一度もやってもいないのに無理だとは言いません!」
と気合い充分である。

さて今日はお店の配置変えである。
田中が出勤した時間にはかなり進んでいたので特に怒られるような作業もない。

しばらく使わない棚をしまっている時であった。

「この棚どうすればいいですか?」

エレクターと言ってわかるだろうか?
ホームセンターなどで売っている銀色の高さを変えられる棚である。
結構重いのだがうちの店では組み立てたホームエレクターの上に置いてある。

「そこの棚の上だけど無理だよな?」

「自分、やってみていないのに無理だとは言いません!やります!!」

私だったらそのまま届く高さだが、田中だとイスに上がらないと届かない高さだ。
オマケにチカラのない田中にとっては厳しい作業である。
たぶん私の5倍くらいは時間がかかるだろう。

今日のようにやる事がいっぱいある時には、私がその作業をやって田中には別な事をやらせた方が効率的である。
だが、やる気を出している田中にはとても言えない。

『無理な事は無理』なんだが、今まで何もやらなかった男なので、どこまで出来るのかが私にも全くわからない。
そのまま田中にやってもらう事にした。
時間はかかったが何とか作業は終了する事が出来たようだ。


以前は「無理です。」と言っていた作業を田中にまかせるのはとても不安である。


田中はイベント出店や内装の変更などが大嫌いである。
バイクのイベントの時はバイカーが嫌いだからと言っているのだが、本当は怒られる可能性が高くなるから行きたくないのだと思う。

イベントに出店する時は事前にシュミレーションするのだが、やはり現場で作業していると予定通りにいく事はまずない。
そんな時に田中は要領が悪いというか全く応用が効かない。

怒っても仕方ないとはわかっているのだが、会場時間に間に合わせる為に必死になっているので、こっちもついつい怒鳴ってしまう。
田中は怒られるのが嫌なのでだんだん作業から外れていく。

例えばテントの設営や棚の組み立てなどを手伝いに来てくれたみんなでやっているのに、田中はテントが入っていた袋を寄せたりゴミを拾っていたりする。
確かにやらなければならない事ではあるが、先にやらなければならない仕事がたくさん残っている。

それを私が見つけて『そんな事いまやらなくてもいいだろ!』とまた怒られる。

明日はお店が休みである。
休みとはいえ私は衣料品を秋冬物に入れ替えるために出勤する。
Tシャツは畳んで棚に置いてあるが秋冬物はハンガーラックにかけるため、什器の入れ替えをしなくてはならない。
一応、田中に聞いてみた。

「火曜日は休みだけど中で場所移動をやってる。学校終わったら田中来る?」

田中はキッパリ答えた。

「来ません!」

まあ、当然である。
私が一人で場所移動をする事は慣れてるので別にいい。

一日中いろいろとやって自己満足して帰る。

だが、翌日出勤してきた田中はどこが変わったかアピールしないと気付かないので、今回の場所移動は田中が気付くように思いっきりやりたいと思う。


P.S このブログを書き終わった後に出勤して来た田中は、

「明日、来ます!」と言い出した。


予想外の事に私は「何をするために!?」と聞いてしまった。



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